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クラミジアの症状、検査と治療
クラミジア感染症(性病)の症状、検査、治療
クラミジアトラコマティスChlamydia trachomatis を原因とする性行為感染症(性病)
症状として男性では尿道炎、女性では子宮頚管炎を引き起こす。
しかし、女性ではほとんどの場合無症状のことが多い。
【クラミジアの症状】 男性では尿道内で増殖し尿道炎症状を引き起こします。男性での典型的な症状は感染の機会があってから5〜14日(まれに3週間)くらいの後に、尿道の痒み、違和感や軽い排尿痛を自覚します。尿道口より透明または白色の膿に気づくこともあります。症状があまり強くないので様子を見ていると2〜3週間で症状が治まる場合もあります。しかしクラミジアが治癒したわけではなく尿道内にいつまでも潜伏しているので相手にも感染させることになります。

 クラミジアが逆行性に精管から精巣上体にまでいくと精巣上体炎(副睾丸炎)を併発します。痛みは軽度で発熱はあまりありません。睾丸全体が腫れて大きくなったように感じるときもあれば睾丸の隣にしこりを触れるといって受診する人もいます(睾丸が腫れる病気には睾丸の腫瘍もあるので注意)。精巣上体炎や精管炎を引き起こした場合、炎症により精子の通路が閉塞するので両側で起きると不妊症(閉塞性無精子症)になる可能性があります。

 クラミジアによる眼球結膜炎を起こすことがあります。症状は眼の充血、痒み、目やになどです。

 一般的にクラミジア尿道炎は、淋病に比べて症状が軽いので、自分では気が付かなかったりあるいは、まったく無症状のことがあります。そのため淋病に比べてクラミジア感染症は近年増加しています。
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 女性では初感染時にほとんど自覚症状がありません。9割の女性が無症状です。したがって自ら病院を受診することは稀かもしれません。帯下の異常、性交痛、下腹部違和感など思い当たる節があれば産婦人科医師に相談したほうがよいでしょう。クラミジアは女性では膣から子宮頚管におよび子宮頚管炎を引き起こします。時として子宮頚管から上行性に子宮、卵管を経由して腹腔内へ感染が波及します。卵管周囲炎や骨盤腹膜炎、肝臓周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)などは原因不明の腹痛の原因になっていることがあります。

 卵管周囲の癒着や、卵管通過性の障害が起こると子宮外妊娠や卵管性不妊症の原因となります。妊娠中の感染は絨毛膜炎や羊膜炎が誘発され流・早産の原因となります。妊婦がクラミジア感染のまま出産すると産道感染を引き起こし新生児に結膜炎や新生児肺炎を発症します。女性のクラミジア感染症は男性にに比して症状が軽度であるものの合併症や後遺症が大きいので注意しなくてはいけません。
 オーラルセックスにより咽頭炎や扁桃炎の原因にもなっています。しかし多くの場合無症状です。

 1回の性的接触でクラミジア感染症がうつる可能性ですがはっきりわかっていません。接触の時間、行為の内容、相手の持つ菌量、自身の抵抗力、男性では接触後の排尿などにより影響を受けます。
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男性における淋菌性尿道炎とクラミジア尿道炎の比較
淋菌性尿道炎 クラミジア尿道炎
潜伏期間 2〜7日 5〜21日
発症 急激に 徐々に
排尿痛 強い 弱い
尿道の痒み 無し 有り
排膿 黄〜黄緑色 白色〜透明
排膿量 多〜中 少〜無
図の赤印が尿道の炎症を起こしている部位です。         
【クラミジアの診断方法】  まず問診を行います。男性では尿道炎が疑われるようであれば尿沈渣(尿を遠心分離器にかけて尿中の細胞成分を沈殿させて顕微鏡で観察)にて白血球 の有無を確認します。クラミジアの有無は顕微鏡ではわかりません。クラミジアの検出には核酸増幅法(PCR法、LCR法)、抗原検査法などを用います。核酸増幅法は感度、特異度ともに高く、尿を検体として用いることができるので優れた検査方法です。従来は尿道に綿棒を入れていましたがその必要がなくなりました。  

 採尿に際しては早朝尿は尿道の分泌物成分が多く含まれ検査に適します。やむをえないときは、前回の排尿後から時間をおいて採尿することが望まれます。

 女性では子宮頚管から分泌物を採取し核酸増幅法(PCR法、LCR法)にてクラミジアを検出し診断します。尿検査からでは不十分です。 治癒判定に際しての注意ですが、核酸増幅法(PCR法、LCR法)は死菌となっていても遺伝子が残っていれば陽性と診断されるので、治療終了後2〜3週間の期間をおいて検査判定するほうがよいでしょう。

  咽頭クラミジア検査も核酸増幅法(PCR法、LCR法)にて行いますが検出精度は採取状況などに左右されます。
 
 血液検査法:血液中のクラミジア抗体を測定し感染の有無を診断する方法です。過去におけるクラミジア感染の有無を診断しますが現在罹患しているかどうかを反映しません。既に治癒していても陽性に出てしまうため日常診療において用いる機会は減っています。血液中のクラミジア抗体価が高値が続く場合卵管周囲の炎症の可能性を示唆する報告などがありますが現在のところ補助診断的な価値にとどまっています。
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 【クラミジアの治療法】男性、女性とも同じです。
   @テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン、ビブラマイシン等)の内服
 Aマクロライド系抗生物質(クラリス、クラリシッド、ジスロマック等)の内服
 Bニューキノロン系の抗菌剤の内服
 
以上のいずれか。
薬の内服期間は1〜2週間。場合によりもっと長期になることがあります。
【注意点】  抗菌薬を服薬してすぐに症状が無くなるときもあります。自己判断で中止してしまう人もしばしば経験します。不完全な治療は性行為感染を蔓延させる原因となっています。症状がなくなってもまだ菌は生きていますので医師の指示どおりの期間きちんと内服してください。

【問題点】 淋菌に比べて症状が軽く発病までの時間(潜伏期)が長いことが自分の知らない間に相手に感染させる原因となっています。症状が出る前でも相手に感染させる可能性があります。可能性があれば相手に知らせてあげましょう。

 
まったく症状を有しない20代男性の尿中からも5%程度の頻度でクラミジアが検出されると言う報告があります。  女性についての報告では無症状の潜在患者を入れると15〜19歳の罹患率が4.3%(1/ 23.5人)、20〜24歳の罹患率が6.7%(1/15人)と推定されています。それだけ無症状の人が多いということです。seibyouka.com

 クラミジアを含め無症状の性感染症はHIV感染の危険因子となっています。 米国CDC(Centers for disease Control and Prevention)では25歳以下の若年女性と3ヶ月以内に新しいsex partnerまたは1年以内に2人以上のsex partnerのいる女性、コンドーム未使用者などはクラミジア検査を年一度行うことを推奨しています。

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